プロフィール

2017年8月24日木曜日

高校野球

☆ 生徒との信頼関係が
  強豪チームをつくった ☆

中井 哲之(広陵高校野球部監督)

※『致知』2013年4月号
※「致知随想」
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広陵はこれまで春夏合わせて40回以上
甲子園に出場し3回の優勝、
6回の準優勝を経験しました。
プロ野球で活躍するOBもたくさんいます。

そのためか

「全国から優秀な選手をスカウトしている」

と思う方もいらっしゃるようですが、
事実は全くの反対です。
私は一切勧誘をしない監督として有名で、

「何がなんでも広陵で野球をしたい」
「中井監督の下で頑張りたい」

という選手ばかりが
集まってくれているのです。


人数制限もありません。

入学試験にパスし、
意欲のある者であれば、
野球の上手下手は
度外視してすべてOK。

私も分け隔てなく接しますが、
もちろん100人以上部員がいる中で
レギュラーの座を獲得するのは
容易ではありません。

広陵の野球を慕って
全国から集まってきても
3年間、控えで終わる者もいます。

他校であれば間違いなく
レギュラーとして活躍できるのに、
広陵を選んだがために
控えに甘んじなくてはならないのは
無念でしょう。

しかし、彼らは
入部当初から覚悟を決めています。

仮に日の目を浴びずとも、
その経験はいずれ
花開く時が来ると私は信じています。
 
部員にとって高校3年間は
人生の通過点にすぎません。

その間、野球だけが上手くなって
どれだけの価値があるのでしょう。

本来の務めである学問と野球を通して
一人ひとりの
「生きる力」を高めることこそが、
私の教育の理想なのです。
 
とはいっても私に特段の
ノウハウがあるわけではありません。

不器用な私がやれるのは
子供たちと一緒に
泥まみれになって練習に汗し、
ともに笑い、ともに泣くこと。

それだけです。

だから叱る時も
「おい、何やっとるんじゃ」
と常に本気。

言葉遣い一つも
見逃すことはしません。
 
建前も駆け引きもなく、
いつも素のままで子供たちに接する
"ガキ"そのものの姿勢。

白か黒かの態度。

それは大学を出て
母校・広陵の教師、
野球部コーチに就任してから
50歳の今日まで
変わることがありません。



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押忍!

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