プロフィール

2016年9月19日月曜日

おかあさん

~ぼくのむねの中に~
 ――小学一年生の浦島君の作文

「おかあさん、おかあさん」

僕がいくらよんでも
へんじをしてくれないのです。

あのやさしいおかあさんは、
もうぼくのそばにはいないのです。

きょねんの十二月八日に、
かまくらのびょういんで、
ながいびょうきでなくなったのです。

いまぼくは、
たのしみにしていたしょうがく1ねんせいになり、
まい日げんきにがっこうにかよっています。
あたらしいようふく、ぼうし、ランドセル、くつで、
りっぱな一ねんせいを、
おかあさんにみせたいとおもいます。
ぼくはあかんぼうのとき、おとうさんをなくしたので、
きょうだいもなく、おかあさんとふたりきりでした。

そのおかあさんまでが、ぼくだけひとりおいて、
おとうさんのいるおはかへいってしまったのです。

いまは、おじさんおばさんのうちにいます。

まい日がっこうへいくまえに、
おかあさんのいるぶつだんにむかって、
「いってまいります」をするので、
おかあさんがすぐそばにいるようなきがします。
べんきょうをよくしておりこうになり、
おとうさんおかあさんに
よろこんでもらえるようなよいこになります。


でも、がっこうでせんせいが、
おとうさんおかあさんのおはなしをなさると、
ぼくはさびしくってたまりません。

でも、ぼくにもおかあさんはあります。
いつもぼくのむねの中にいて、
ぼくのことをみています。
ぼくのだいすきなおかあちゃんは、
おとなりのミイぼうちゃんや、
ヨッちゃんのおかあさんより、
一ばん、一ばんよいおかあさんだとおもいます。

おかあさん、ぼくはりっぱなひとになりますから、
いつまでもいつまでも、
ぼくのむねの中から
どっこへもいかずにみていてください。


◎55年間、教職者として一生を捧げた
 東井義雄氏の願いが込められた一冊
『子どもの心に光を灯す』(東井義雄・著)

致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。


押忍!

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