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2015年2月21日土曜日

朝の挨拶

☆印以下は、致知出版社様から頂いたメルマガの一部であります。


是非とも御一読の程をお勧め致します。


目から鱗でありますよ!^_^



押忍!





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不朽のロングセラー『修身教授録』の
著者・森信三先生による幻の名著
『理想の小学教師像』がまもなく発売されます。

「理想の小学教師像」というタイトルのとおり、
小学校の先生の魅力や喜びに始まり、
子供たちへの挨拶の仕方、学級の作り方、板書の方法、
名前の覚え方などが実に丁寧かつ具体的に語られており、
教育者のみならず、指導者必読の内容です。

本日は、本書の第5章「教師の一日」より、
"始業前のひととき"という授業の内容をご紹介します。


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この前には、諸君の卒業後の教師生活を考えるにあたり、
まず朝の出勤を中心として考えてみたわけです。

そしてそのさい、汽車や電車で通勤する人は、
往復の車中をゼヒ読書に当てるようにと力説し、
同時にそれに関連して、
「週刊誌不買同盟」というような提唱にもふれて、
つい時間がきてしまったので、
そのためにもう少し話したいと思っていたことから
話すことにしたいと思います。

それは何かというに、諸君の通勤が、
徒歩にせよ、自転車にせよ、あるいは汽車電車にもせよ、
とにかく諸君が学校近くになって、
子どもたちの登校と一しょになり出したら、
子どもたちに対して、必ず朝のあいさつを
忘れぬようにして頂きたいということです。

否、それはたんに忘れぬようにというだけに留まらず、
子どもたちに対して、教師の方から先きに
するようにして頂きたいのです。

こういうと諸君らのうちには、
不思議に思う人があるかとも思いますが、
しかし私の考えでは、朝のあいさつというものは、
どうも物の分った人でないと、
先きにはやれないもののようです。

それというのも、朝のあいさつというものは、
それによって相手の人の心の扉を開いてあげる作業ですから、
今も申すように、物の分っている人でなくては、
なかなか先きには出来にくいわけです。

ですから教師が朝子どもたちに出逢ったら、
まず教師の方から「ヤア、お早よう」とか
「お早ようさん」とやっていただきたいのです。

ところがそうしますと、一週間もたたないうちに、
子どもの方から先きに言うようになって、
教師は毎朝子どもたちから、
「お早う」の包囲攻撃を受けるようになることでしょう。

同時にまたその頃になりますと、父兄の方からも
「近ごろ子どもの様子がスッカリ変って、
大へん明るくなって来ました。」といって
喜ばれるようになることでしょう。

なお、ついでながら、この子どもたちへの朝のあいさつは、
自分の受け持ちの子どもにはもとよりのこと、
なるべくは他の組の子どもたちにも、
努めてやってほしいと思います。

それというのも、朝のあいさつは、
それ自身が一つの教育と考えてよいからです。
ですから、諸君たちが卒業後一つの学校に奉職したさい、
毎朝登校の途次に出逢う子どもたちには、
どの組の子どもという差別をしないで、
できるだけ広くするようにしたら、
ついには全校の子どもたちが、みな諸君に対して
親愛の情をもつようになることでしょう。

そして中には担任教師以上に、
諸君に対して好意をもつような子どもも出てくることでしょう。
同時にまた愛情の深い教師というものは、
急ぎの用事などで、受け持ちの子どもたちを、
後から追い越さねばならぬような場合には、
必ず「ヤァみんなお早よう!
今日は、先生ちょっと急ぎの用事があるからナ。」
とでもいうようなコトバをかけた上で、
追い越すようにして頂きたいのです。

でないと子どもたちは、追い越された先生のうしろ姿を見て
「アッ先生にあいさつしないでしまって—」という
一種のすまなさの感じをもつことでしょう。

ですから真に愛情の深い教師というものは、
そうした微細な点にまで、その心が及ぶわけです。


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指導者必携のバイブル、待望の復刻!
"国民教育の師父"が遺した伝説の授業


 『理想の小学教師像』
 
   森信三・著 


☆☆☆☆☆


以上であります。



押忍! 石黒康之

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